広告 水族館魚図鑑 水族館魚図鑑-スズキ目(その他)

水族館魚図鑑-ゴンベ科(Cirrhitidae)について

ゴンベはインド洋~太平洋の熱帯域に多くの種類が分布しており、大きな胸鰭を使って岩やサンゴの上に載っている姿が見られます。

岩やサンゴの上に乗って周囲を警戒している姿が鷹が上空から餌を探す姿に似ている事から英語では「hawk fish」と呼ばれています。

ゴンベ科は現在、12属33種類が確認されています。

 

 

ゴンベ科(Cirrhitidae)について

ゴンベ科は世界中で33種類が確認されており、インド洋、太平洋、大西洋の熱帯域に分布しています。

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上の写真はゴンベ科の中でも観賞魚として人気の高いサラサゴンベです。

多くの種類は体長7~15cmで、綺麗な見た目の種類が多く、観賞魚として飼育される事も多いです。

胸鰭の軟条の下部が長く伸長しており、タカノハダイと似た特徴を持ちますが、背鰭の棘の先端に糸状の突起がある事で区別する事ができます。

「ゴンベ」とは背鰭棘の先端にある糸状の突起が「権兵衛」と呼ばれる髪型に似ている事が名前の由来となっています。(権兵衛は主に江戸時代で見られた髪型で、現代では見る機会がありません。)

 

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上の写真はゴンベ科最大種のジャイアントホークフィッシュです。

最大種はジャイアントホークフィッシュで最大体長は50cm以上に成長します。

食性は肉食で甲殻類、小型の魚類等を捕食しています。

雌性先熟型の雌雄同体(メス⇒オスへと性転換する)で、基本的にメスとして性成熟し、その後にオスへと性転換します。

種類によっては1匹のオスが複数のメスとハーレムを形成する事もあります。

繁殖行動は水面付近で行われ、浮性の卵が放出されます。

 

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上の写真はハナゴンベです。

スズキ目ハタ科にハナゴンベという種類がおり、ゴンベと名前についていますが、ゴンベ科の魚ではありません。

ハナダイの仲間でゴンベ科の魚とは見た目も違い、中層付近を活発に泳いでいます。

イソゴンベ属(Cirrhitus)について

イソゴンベ属は4種類が分類されており、日本国内ではイソゴンベのみが分布しています。

確認されているのは以下の4種類になります。

・イソゴンベ(Cirrhitus pinnulatus)

・ジャイアントホークフィッシュ(Cirrhitus rivulatus)

・Cirrhitus atlanticus

・Cirrhitus albopunctatus

イソゴンベとジャイアントホークフィッシュはゴンベ科の中では大型種になります。

オキゴンベがインド洋~太平洋の熱帯域に分布しており、イソゴンベ属の中では分布域が広い種類です。

Cirrhitus atlanticusはアフリカ大陸西部の沿岸部の一部、Cirrhitus albopunctatusはトンガ周辺のみと限られた地域でのみ見られます。

 

ジャイアントホークフィッシュ

 

ゴンベ科最大種であるジャイアントホークフィッシュはイソゴンベ属に分類されており、日本国内では葛西臨海水族園でのみ展示されています。

イソゴンベは日本で見られる唯一のイソゴンベ属ですが、2021年3月時点でJAZA加入の施設で展示している施設は無いようです。

ウイゴンベ属(Cyprinocirrhites)について

ウイゴンベ属には1種類のみが分類されており、日本でも和歌山県以南で見られます。

オキゴンベ属の魚とやや似た見た目をしていますが、ウイゴンベの背鰭の棘条数が16~17とオキゴンベ属の魚よりも多い事で見分けることができます。

・ウイゴンベ(Cyprinocirrhites polyactis)

西部太平洋、マダガスカルの水深の浅い岩礁地帯で見られます。

観賞魚として飼育されることもあり、JAZA加入の施設のうち6施設で展示されています。

オキゴンベ属(Cirrhitichthys)について

オキゴンベ属はゴンベ科の中で最も多くの種類が分類されており、8種類が分類されています。

日本では8種類のうち4種類が分布しています。(水族館でも日本産4種が展示されています。)

・オキゴンベ(Cirrhitichthys aureus)

・サラサゴンベ(Cirrhitichthys falco)

・ヒメゴンベ(Cirrhitichthys oxycephalus)

・ミナミゴンベ(Cirrhitichthys aprinus)

・Cirrhitichthys bleekeri

・Cirrhitichthys calliurus

・Cirrhitichthys guichenoti

・Cirrhitichthys randalli

 

オキゴンベ

 

サラサゴンベ

 

ヒメゴンベ

 

オキゴンベ属の魚は小型で見た目が綺麗な種類が多いため、観賞魚として飼育されることが多いです。

 

特にサラサゴンベはゴンベ科の中では観賞魚として人気のある魚です。

クダゴンベ属(Oxycirrhites)について

クダゴンベ属はクダゴンベ(Oxycirrhites typus)1種から構成されています。

クダゴンベはインド洋~太平洋に生息しており、日本国内では相模湾以南で見られます。

 

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上の写真はクダゴンベです。

枝状サンゴの上に乗っている事が多く、他のゴンベ科の魚とは異なり、吻先が細長くスリムな体型をしています。

1匹のオスと複数のメスの小さなハーレムを形成して生活しています。

 

クダゴンベ

 

ユニークな見た目から観賞魚として飼育される事もあり、水族館で展示される事も多い種類です。

飼育は易しいですが、他の魚を捕食する事があるため注意が必要なようです。

クロホシゴンベ属(Amblycirrhitus)について

クロホシゴンベは熱帯域のサンゴ礁に分布しています。

5種類が確認されており、クロホシゴンベとフタホシゴンベが日本でも確認(小笠原諸島、西表島?)されているようです。

 

・クロホシゴンベ(Amblycirrhitus unimacula)

・フタホシゴンベ(Amblycirrhitus bimaculus)

・Amblycirrhitus earnshawi
・Amblycirrhitus oxyrhynchos
・Amblycirrhitus pinos

 

クロホシゴンベは背鰭後方の付け根付近に黒色の斑点があり、フタホシゴンベは背鰭後端の基部と胸鰭の上部に黒色の斑点があります。 

クロホシゴンベ、フタホシゴンベの2種は日本でも見られますが、展示している水族館はありません

スミツキゴンベ属(Cirrhitops)について

スミツキゴンベは世界中で3種類が確認されており、日本ではスミツキゴンベ(Cirrhitops hubbardi)が分布しています。

確認されているスミツキゴンベ属の魚は以下の3種類です。

・スミツキゴンベ(Cirrhitops hubbardi)

・レッドバードホークフィッシュ(Cirrhitops fasciatus)

・Cirrhitops mascarenensis

レッドバードホークフィッシュはハワイやマダガスカルに分布しており、Cirrhitops mascarenensisはインド洋南西部のマスカリン諸島周辺で見られます。

スミツキゴンベは尾柄部にある黒色の斑点が名前の由来となっており、レッドバードホークフィッシュ、Cirrhitops mascarenensisの両種にも尾柄部に黒色の斑点があります。(レッドバードホークフィッシュは薄い個体もいます。)

ベニゴンベ属(Neocirrhites)について

ベニゴンベ属はベニゴンベ(Neocirrhites armatus)1種から構成されています。

太平洋の熱帯に分布しており、日本では琉球列島以南で見られます。

ベニゴンベはゴンベ科の他の種類と比べると吻が短く、ずんぐりした体型をしています。

 

ベニゴンベ

 

小型種のため食用として利用される事はありませんが、観賞魚として飼育される事があります。

派手な見た目からか、水族館で展示されている事も多いです。

ホシゴンベ属(Paracirrhites)について

ホシゴンベ属は6種類が確認されており、そのうち日本では3種類が見られます。 

インド洋~太平洋に分布しており、サンゴ礁で見られます。

 

・イレズミゴンベ(Paracirrhites hemistictus)

・ホシゴンベ(Paracirrhites forsteri)

・メガネゴンベ(Paracirrhites arcatus)

・Paracirrhites bicolor
・Paracirrhites nisus
・Paracirrhites xanthus

 体の中央付近~尾柄部にまで淡色の縦帯があるのが共通点です。(種類によっては成長過程で消える種もあり)

 

ホシゴンベ

 

メガネゴンベ

 

 

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上の写真はメガネゴンベです。

メガネゴンベは目の後ろにメガネを掛けているような模様がある事が名前の由来となっています。(Paracirrhites bicolorやParacirrhites nisusにも同じような模様があります。)

他のゴンベ科の属に比べると頭部が大きく、がっちりとした体型をしています。

ゴンベ科のその他の属

上記で紹介した属以外に4属があります。

・Cristacirrhitus属

・Isocirrhitus属

・Itycirrhitus属

・Notocirrhitus属

どの属も1種類のみが分類されており、日本で見られる種類は存在しません。

ゴンベを観察するのに私的オススメの水族館

日本の水族館(JAZA加入の施設のみカウント)では11種類のゴンベ科の魚が展示されています。

ゴンベ科の魚は綺麗な見た目から観賞魚として飼育される事もあるため、水族館でも展示している施設は多いです。

特に展示施設が多い種類はクダゴンベ、ホシゴンベ、サラサゴンベ、オキゴンベ、メガネゴンベなどで上記の5種類はJAZA加入の施設のうち15施設以上で展示されている種類です。

最も展示施設が多い種類はクダゴンベで、JAZA加入の施設のうち20ヵ所で展示されています。

ゴンベ科と葛西臨海水族園

葛西臨海水族園では2021年3月時点で

・サラサゴンベ

・ジャイアントホークフィッシュ

・ スミツキゴンベ

・ヒメゴンベ

・ベニゴンベ

・ホシゴンベ

・メガネゴンベ

の7種類が展示されています。

このうち、スミツキゴンベとジャイアントホークフィッシュは葛西臨海水族園でのみ展示されています。

 

ゴンベ科最大種のジャイアントホークフィッシュは世界の海エリアのバハ・カリフォルニア水槽にて展示されています。

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上のように水槽のメインとしてジャイアントホークフィッシュが展示されており、真ん中の岩の上に乗っている事が多いですが、タイミングが良いと上のように泳いでいる姿も見ることができます。

 

スミツキゴンベは東京の海エリアの小笠原の海①水槽にて展示されています。

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上のように岩がレイアウトされた水槽でスミツキゴンベが展示されており、障害物が多いので姿が見えない事もあります。

スミツキゴンベは日本では小笠原諸島周辺でのみ確認されています。

 

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世界の海のエリアのグレートバリアリーフ水槽にてメガネゴンベ、ベニゴンベを展示しており、ハワイ沿岸水槽でヒメゴンベを展示しています。

葛西臨海水族園は地域ごとに水槽が分けられており、小型~中型の水槽が多く並んでおり観察しやすい水族館となっています。

他の水族館では見られないようなレアな種類も多く展示しているため、魚が好きな方には非常にオススメの水族館です。

 

ゴンベ科の魚は水族館で展示されている事も多く、サンゴや岩の上に乗っている姿を見ることができます。

水族館を訪れた際は是非探してみてください。

 

ここまで

最後までお読みいただきありがとうございます。

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