トビハゼは陸上で生活する魚として知られており、その秘密は皮膚が濡れている状態で皮膚呼吸を行えることにあります。
愛嬌のある動きをすることから、観賞魚としても人気のある魚です。
トビハゼについて!
トビハゼは10cm程度にまで成長するスズキ目ハゼ科トビハゼ属の魚です。
トビハゼは茶色の体色に黒と白の模様があります。
目は上部に飛び出ており、泥の中に入っても目だけでも上に出せるようにしているのかもしれません。
陸上に上がるハゼの仲間と共通して胸鰭が力強く発達しており、胸鰭を使って這うように移動します。(尾鰭を使って飛び跳ねて移動することもあります。)
似ている種類としてはミナミトビハゼという魚がいます。
ミナミトビハゼは第一背鰭の先端が突出し暗色部があること、吸盤になる左右の腹鰭が繋がっていないことで見分けることができます。
ミナミトビハゼは奄美大島以南で、一部地域ではミナミトビハゼとトビハゼの両方を見ることができます。
トビハゼはエラ呼吸もできますが、皮膚呼吸もできます。
そのため写真のように地上にいることも多いですが、皮膚が乾燥すると皮膚呼吸を行うことができないため、泥など水分がある場所で定期的に皮膚を濡らす行動を見ることができます。
潮が満ちて水の中に入った際に水面を水切りのように連続で跳ねて陸上まで戻ってくる姿がトビハゼの名前の由来になっています。
食性は肉食で小型の無脊椎動物等を捕食しています。
和名 | トビハゼ |
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学名 | Periophthalmus modestus |
英名 | Mudskipper |
目 | スズキ目(Perciformes) |
科 | ハゼ科(Gobiidae) |
属 | トビハゼ属(Periophthalmus) |
分布 |
西部太平洋 |
生息環境 | 岩礁 |
トビハゼは日本、朝鮮半島、台湾、中国に生息しており、国内では東京湾~沖縄まで見られます。
冬になると巣穴に潜って冬眠するため、4月~10月に見る事ができます。
トビハゼの生息北限である東京湾の近くにある葛西臨海水族園では、トビハゼの繁殖活動・現地調査を行っています。
葛西臨海水族園の前にある人工の干潟「東なぎさ」にもトビハゼが見られるようです。
そんな葛西臨海水族園は2004年にはJAZAのトビハゼの繁殖賞を受賞しています。(JAZA加入の施設のうち、初めて繁殖に成功した施設に送られます。 種類ごと初めに繁殖に生息した施設が貰うことができます。)
トビハゼは地域によっては食用として利用されるほか、観賞魚としても流通しています。
生息域は広い魚ですが、特に都心部での個体数が減少しており環境省のレッドリストでは純絶滅危惧に指定されています。
トビハゼを展示している水族館!
情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
トビハゼを展示しているJAZA加入の施設は18ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
トビハゼとマリンワールド海の中道
マリンワールド海の中道は九州の近海エリアの干潟を再現した水槽でトビハゼを展示しています。
この水槽はガラス越しではなく、オープンな場所で展示されているので近くで見ることができます。
この水槽ではトビハゼの他にムツゴロウ、シオマネキ、ヤマトオサガニを展示しています。
トビハゼは多くの水族館で展示されていますが、ムツゴロウはあまり展示されていないので、是非観察してみてください。
トビハゼと葛西臨海水族園
トビハゼは東京の海エリアで展示されており、東京湾水槽の干潟水槽で展示されています。
生息している干潟のようなドロドロした泥の水槽になっています。
泥に浸かっているので少し観察しにくいですが、過ごしやすいのかピョンピョン跳ねて移動する姿も見ることができました。
この水槽ではトビハゼの他にヤマトオサガニという干潟でよく見られるカニも展示されています。
トビハゼを展示している水族館の一覧
トビハゼを展示しているJAZA加入の施設は18ヵ所です。
鴨川シーワールド | 葛西臨海水族園 | 東山動物園 |
新潟市水族館 | 寺泊水族博物館 | 南知多ビーチランド |
碧南水族館 | 名古屋港水族館 | 志摩マリンランド |
伊勢シーパラダイス | 須磨水族園 | 城崎マリンワールド |
姫路水族館 | 玉野海洋博物館 | 宮島水族館 |
海の中道水族館 | ペンギン水族館 | かごしま水族館 |
トビハゼの日本での生息地北限は東京湾なので、展示施設も東京湾以南の施設が多いです。
北側では新潟の新潟市水族館が展示しているようです。
ここまで
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