ナンヨウマンタは以前はオニイトマキエイのシノニムとされていましたが、2009年から本種を復活する説が提唱されました。
日本近海ではオニイトマキエイとナンヨウマンタの両種が見られますが、ナンヨウマンタの方が個体数は多いようです。
ナンヨウマンタについて!
ナンヨウマンタは胎盤の幅が5m以上に成長するトビエイ目イトマキエイ科イトマキエイ属の魚です。
ナンヨウマンタは背側は黒色、腹側は白色をしており、背側の胸鰭の先端付近、頭部付近が白色になっています。
模様は個体差があり、稀に全身が黒色の個体もいます。(全身黒色の個体をブラックマンタと呼ぶようです。)
成長した個体は自然界に敵がほとんどいないため、上層付近をゆっくりと泳いでいる事が多いようです。
ナンヨウマンタはオニイトマキエイのシノニムとして扱われていた事から分かるように2種はよく似ています。
オニイトマキエイの方がやや大きく成長し、オニイトマキエイの口の周辺(腹側)に黒色の部分が多い、ナンヨウマンタには第5鰓孔に黒色の斑点が見られないor少ないなどの違いで見分けることができます。
食性は肉食でプランクトンを主食にしています。
プランクトンを捕食する際には口を大きく開けて宙返りをするようして、海水と一緒にプランクトンを吸い込んで海水だけを鰓裂から出します。
和名 | ナンヨウマンタ |
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学名 | Mobula alfredi |
英名 | Alfred manta |
目 | トビエイ目(Myliobatiformes) |
科 | イトマキエイ科(Mobulidae) |
属 | イトマキエイ属(Mobula) |
分布 |
インド洋~太平洋の温帯・熱帯 |
生息環境 | 海岸、サンゴ礁 |
ナンヨウマンタはインド洋~太平洋に温帯・熱帯域に生息しています。
国内では主に沖縄など南方で見られます。
卵胎生で、一度に1~2尾の子共を出産し、出産された時点で胎盤幅1m以上もあります。
自然界では人間以外の天敵がおらず、ナンヨウマンタの食べ残しや寄生虫を食べるために付いてくる魚を従えている事も多いです。(ブリモドキやコバンザメなど)
食用として利用されたり、皮革、漢方薬の原料として使用されています。
大人しい性格で、人懐っこい事からダイバーからの人気が非常に高いエイですが、漁業で混獲されたり、食用、漢方薬の原料とするために狙われる事から生息数は減少しています。
魚類の中でも最も知能が高い種類の1つであると言われています。
IUCNのレッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されています。
ナンヨウマンタを展示している水族館!
情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年9月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
ナンヨウマンタを展示しているJAZA加入の施設はアクアパーク品川、美ら海水族館です。
オニイトマキエイを展示している施設はありません。
ナンヨウマンタとアクアパーク品川
アクアパーク品川ではワンダーチューブにてナンヨウマンタを展示しています。
アクアパーク品川ではメイン水槽であるワンダーチューブと呼ばれるトンネル型の水槽でナンヨウマンタを展示しており、この水槽のメイン展示物となっています。
水槽内で展示されているナンヨウマンタは1匹ですが、他に多く展示されているエイ達よりも大きな体で、中層~上層付近を泳いでいるので非常に良く目立ちます。
この水槽ではナンヨウマンタの他にジャイアントシャベルノーズ、シノノメサカタザメ、トンガリサカタザメ、アカエイ、オグロオトメエイ、カラスエイ、ヒョウモンオトメエイ、マダラエイ等を展示しています。
エイだけでも10種類以上が展示されており、エイ以外の魚類も多く展示されている水槽となっています。
アクアパーク品川では基本的に展示されている種類の掲示パネルがありませんが、この水槽でしか見られないような珍しい魚も数種類展示されているので、是非探してみてください。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。