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動物図鑑-セイウチ(Odobenus rosmarus)

セイウチは北極圏沿岸部に分布している大きな牙が特徴のセイウチ科の動物です。

日本ではいくつかの水族館で飼育されており、多くの施設で繁殖を目指して飼育を行っています。

セイウチについて!

セイウチはオスの体長が約3m、メスの体長が2.6m程度にまで成長するネコ目セイウチ科セイウチ属の動物です。

大型のオスの個体は2,000kgを超える場合もあります。

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セイウチは茶色の体色をしており、全身が分厚い皮膚・脂肪で覆われています。

分厚い場所では皮膚の厚さは2~4cm程度にもなり、脂肪と合わせると10cm程度にもなるようです。

この分厚い皮膚と大きな牙によって、ホッキョクグマでもセイウチの成獣を襲う事はほとんどありません。(ホッキョクグマの爪や牙ではセイウチの成獣の皮膚と脂肪を貫通して致命傷を与える事は困難です。)

セイウチの特徴でもある2本の牙は成長とともに大きくなっていき、これは上顎の犬歯が発達したものです。

この牙はオスの方が大きくなり、最大で1mを超えるような個体もいます。

牙の用途としてはオス同士の争い、外敵に襲われた際の防衛時、海底を掘り起こして採餌、陸に上がる際の支えなどがあります。

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セイウチは水中に潜水して底部にいる獲物を牙を使って掘り起こしてから捕食しています。

スバールバル付近で行われた研究では深くても30m程度の潜水でしたが、グリーンランドとカナダ間の場所で行われた研究では約500mもの潜水を行う事も分かっています。

これは餌となる生物が多く生息している水深が関係していると考えられています。

食性は肉食で、二枚貝を主食に、巻貝、タコ、甲殻類などを捕食しています。

和名セイウチ
学名Odobenus rosmarus
英名Walrus
ネコ目(Carnivora)
セイウチ科(Odobenidae)
セイウチ属(Odobenus)
分布

ユーラシア大陸北部、カナダ東部

アラスカ西部、グリーンランドの北極海

生息環境沿岸

セイウチはユーラシア大陸北部、カナダ東部、アラスカ西部、グリーランドの北極海の北極圏の沿岸部に生息しています。

普通は南下しませんが、日本の三重県沖で捕獲された事もあります。

陸に上がって休憩する際には大きな群れを作る事があり、繁殖期になるとメスと幼獣で10~15頭ほどの群れを作ります。

オスは水中で音を発生させてメスを誘い、水中で交尾を行います。

他のオスとの争いに勝った力のある個体がハーレムを形成します。(激しい場合はオス同士は牙を突き刺す事もありますが、繁殖期以外は争う事はあまりありません。)

妊娠期間は約15~16ヵ月で、1度に1頭を出産します。

出産時の幼獣の体重は45~75kg程度で、メスは1年以上授乳します。(子供は5最大で5年ほど母親と行動します。)

海戦汚染、漁によるセイウチの餌の減少などによって生息数は減少しており、地域によっては肉や革を目的とした狩猟によって絶滅しています。

IUCNのレッドリストでは絶滅危惧II類に指定されています。

セイウチを展示している施設!

情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年5月更新)

実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)

セイウチを展示しているJAZA加入の施設は7ヵ所です。

展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。

セイウチと小樽水族館

小樽水族館ではかいじゅうアイランドにてセイウチを展示しています。

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小樽水族館では上のようにやや見にくい水槽の中でセイウチを展示しており、上の画像のように立派な牙を持つ個体が展示されています。

2021年には同一個体で4度目となる出産に成功しており、子供が誕生しています。

このエリアではセイウチの他にゴマフアザラシ、ゼニガタアザラシ、アゴヒゲアザラシ、ワモンアザラシ、トドなどが展示されています。

小樽水族館は海獣の展示が非常に充実した種類で、ショーも行われているので訪れた際は是非見てください。

セイウチと鴨川シーワールド

鴨川シーワールドではセイウチの海エリアにてセイウチを展示しています。

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鴨川シーワールドでは5頭のセイウチを飼育しており、野外からは水面を見る事ができるので、呼吸のために浮上するセイウチ達を見ることができます。

鴨川シーワールドでは1994年に日本で初めてセイウチの繁殖に成功しています。

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ロッキーワールドエリアからはセイウチ展示水槽の水中を見ることができます。

若い個体が多いのか、大きな牙を持つような個体は見られませんでした。

セイウチを展示している展示場の近くではゴマフアザラシ、ゼニガタアザラシ、カリフォルニアアシカ、トドなどが展示されています。

セイウチと八景島シーパラダイス

八景島シーパラダイスでは「氷の海にくらす動物たち」にてセイウチを展示しています。

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 八景島シーパラダイスでは上のようにガラス面が綺麗な水槽でセイウチを展示しており、大きな牙を持つ個体も展示されています。(八景島シーパラダイスでは5頭を飼育)

セイウチを展示している水槽は傷がつきやすいためか、曇っている事が多いですが八景島シーパラダイスの水槽は非常にクリアで観察しやすいです。

セイウチの近くではホッキョクグマ、ペンギン(オウサマペンギン、ジェンツーペンギン、アデリーペンギン)が展示されています。

セイウチと伊勢シーパラダイス

伊勢シーパラダイスでは海獣広場にてセイウチを展示しています。

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伊勢シーパラダイスでは2頭の個体が飼育されており、どちらもメスの個体なので繁殖を目指して繁殖期には他の水族館に居る事もあります。

上のようにセイウチのショーでは目の前で見る事ができ、大きな体で非常に迫力があります。

海獣広場ではセイウチの他にトド、ツメナシカワウソ、ゴマフアザラシ、バンドウイルカが展示されています。

セイウチと鳥羽水族館

鳥羽水族館では水の回廊にてセイウチを展示しています。

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鳥羽水族館では5頭のセイウチを飼育しており、上のように透明度の高いプールで泳いでいるのを見ることができます。

2020年には新しく子供も誕生しています。

水の回廊ではセイウチの他にペリカン、アメリカビーバー、コツメカワウソ、ペンギンなどを展示しています。

セイウチを展示している施設の一覧

セイウチを展示しているJAZA加入の施設は2ヵ所です。

小樽水族館城崎マリンワールド 

タイヘイヨウセイウチを展示しているJAZA加入の施設は5ヵ所です。

鴨川シーワールド八景島シーパラダイス鳥羽水族館
伊勢シーパラダイス大分マリーンパレス 

ここまで

最後までお読みいただきありがとうございます。

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