ベニザケは成熟した個体は名前の通り、紅色の体色になるサケの仲間です。
ベニザケの淡水域に残る個体をヒメマスと呼んでいます。(一生淡水を過ごす個体を陸封型と言います。)
北海道ではヒメマスの事を「チップ」と呼んでいます。(アイヌ語の魚を意味する「チェプ」という言葉が訛ったものだと言われています。)
目次
ベニザケについて!
ベニザケは体長70cm程度にまで成長するサケ目サケ科サケ属の魚です。
ベニザケは成熟すると上の写真のように頭以外の体色が紅色になります。
産卵期のオスの個体はカラフトマスのオスのように背部が盛り上がります。
ベニザケは尾鰭に線や斑点がなく、体側にも斑点がありません。
プランクトン中心の食性で、他のサケの仲間と比べると鰓耙の数が多い事で知られています。(鰓耙は吸い込んだ水とその他に分離する鰓の一部)
陸封型はヒメマスと呼ばれており、一生を湖で過ごし、産卵後には死んでしまいます。(50cm程度にまで成長し、成熟した個体は紅色の婚姻色になります。)
食性は肉食で魚類や動物プランクトン等を捕食しています。
和名 | ベニザケ |
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学名 | Oncorhynchus nerka |
英名 | Sockeye salmon |
目 | サケ目(Salmoniformes) |
科 | サケ科(Salmonidae) |
属 | サケ属(Oncorhynchus) |
分布 |
北太平洋、ベーリング海 オホーツク海 |
生息環境 | 河川、外洋 |
ベニザケは千鳥列島、カムチャッカ半島~ワシントンコロンビア川以北の北緯40度以北の北太平洋に生息しています。
陸封型の個体は阿寒湖とチミケップ湖に自然生息しており、各地の湖に移入されています。(十和田湖、芦ノ湖など)
ヒメマスは釣りの対象魚となり、遊漁期間や漁獲量などの規制がある場合がほとんどです。
ベニザケは日本国内での漁獲量はほとんどありませんが、ロシア等から輸入された物が食用として利用されています。
ベニザケは燻製や塩鮭に加工されることがあり、塩蔵品はサケ類の中でも美味しいと言われています。
ヒメマスも食用して利用されており、フライや塩焼き、燻製などで食べられます。
ベニザケを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2020年10月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
ベニザケを展示しているJAZA加入の施設は5ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
ベニザケと千歳水族館
千歳水族館ではサーモンゾーン(秋期限定)と支笏湖ゾーンにてベニザケを展示しています。
上の水槽は支笏湖ゾーン唯一の水槽となっており、ベニザケの陸封型であるヒメマスが大量に展示されています。(上の写真の上層~中層の銀色の魚の多くがヒメマスです。)
この水槽ではヒメマスの他にアメマス、ニジマス、イトヨ、ギンブナ、ヌマチチブ、エゾウグイが展示されています。
遠くから見ても分かるように照明が強く、展示されている魚が非常に綺麗に見えます。
サーモンゾーンでは秋期限定ですが、上のように紫芋のような体色をしたベニザケを展示しています。
展示時期になると公式からアナウンスがあるので、見たい方はアナウンスがあってから訪れると良いです。
ベニザケと小樽水族館
小樽水族館では本館内の北の魚たちエリアにてベニザケを展示しています。(秋期限定の展示となっています。)
この水槽ではベニザケのみを展示しており、千歳水族館と比べると照明が暗いので綺麗な紫色が見づらいです。
水槽は小樽水族館の方が広いので泳ぐ姿は観察しやすいです!
千歳水族館と比べるとサケ類の展示は少ないですが、北海道らしい魚を多く展示している水族館となっています。
ベニザケ(ヒメマス)とサンピアザ水族館
サンピアザ水族館では2Fの水槽でベニザケ(ヒメマス)を展示しています。
千歳水族館で展示されているヒメマスと比べると体が一回り大きく、体色も銀色ではなく黒ずんだ体色をしています。
サンピアザ水族館は都心部近くにある水族館で、規模としては小さいですが、北海道らしい魚が多く展示されています。
ベニザケ(ヒメマス)と鴨川シーワールド
鴨川シーワールドではエコアクアロームにてヒメマスを展示しています。
鴨川シーワールドでは上のような水槽でヒメマスが展示されており、最大で15cm前後の個体が展示されています。
エコアクアロームでは上流~海の順で水槽が展示されており、関東の水族館としてはサケ類の展示も豊富です。(ニッコウイワナ、ヤマメ、アマゴ、ニジマスが展示されています。)
ベニザケを展示している施設の一覧
ベニザケを展示しているJAZA加入の施設は5ヵ所です。
小樽水族館 | 千歳水族館 | なかがわ水遊園 |
鴨川シーワールド | 富士水族館 |
ベニザケを展示している水族館は少なく、基本的にはヒメマスを展示しています。
小樽水族館、千歳水族館は秋期限定で成熟した紫色の体色をしたベニザケが展示されています。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。