イタセンパラは国の天然記念物に指定されており、環境庁のレッドリストでは絶滅危惧種IA類に指定されています。
日本の固有種で、淀川水系、富山平野、濃尾平野の3ヵ所にしか生息していません。
琵琶湖の内湖などに多く見られた(現在は絶滅)ため、ビワタナゴと呼ばれることもあります。
イタセンパラについて!
イタセンパラは体長8cm程度にまで成長するコイ目コイ科タナゴ属の魚です。
イタセンパラはタナゴの仲間の中では大型で、繁殖期になるとオスの個体は腹部が鮮やかな赤色になります。
大陸に生息するオオタナゴと似ていますが、
イタセンパラという和名は「板のような体型で、鮮やかな腹部」が由来のようです。
和名 | イタセンパラ |
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学名 | Acheilognathus longipinnis |
英名 | Itasenpara Bitterling |
目 | コイ目(Cypriniformes) |
科 | コイ科(Cyprinidae) |
属 | タナゴ属(Acheilognathus) |
分布 |
日本固有種(限られた水系にのみ生息) |
生息環境 | 河川 |
イタセンパラは日本固有種で、淀川水系、富山平野、濃尾平野にのみ生息しています。
河川のワンドやため池など水流が緩やかな環境に生息します。
他のタナゴと同じように二枚貝(ドブガイ、イシガイなどイシガイ科の貝)に産卵し、1つの貝に対して30~40個産卵します。
二枚貝に産卵するため、二枚貝が生息できないような環境では繁殖することができず、環境悪化に弱いです。
イタセンパラは国の天然記念物に指定されており、環境庁のレッドリストでは絶滅危惧IA類に指定されています。
昔は生息水系内で普通に見られた種類ですが、都市開発による環境の悪化や外来魚の影響(捕食者であるブラックバル、ブルーギルやタイリクバラタナゴとの競争等)、密漁などの影響で多くの生息地で生息が確認できない状態になっています。(密猟者が逮捕される事件も起こっています。)
イタセンパラを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2020年12月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
イタセンパラを展示しているJAZA加入の施設は3ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
イタセンパラと東山動物園
東山動物園では世界のメダカ館にてイタセンパラを展示しています。
イタセンパラは群れで展示されており、館内で繁殖にも成功しています。
2018年には繁殖させた個体を木曽川に放流し、イタセンパラの保全活動にも取り組んでいる施設となっています。
繁殖のサイクルに関しても写真付きで詳しく解説されているので、是非訪れてみてください。
世界のメダカ館という名前ですが、イタセンパラのような日本の淡水魚も多く展示されています。(世界のカダヤシ目の展示が最も充実しています。)
イタセンパラを展示している施設の一覧
イタセンパラを展示しているJAZA加入の施設は3ヵ所です。
東山動物園 | 碧南水族館 | 琵琶湖博物館 |
イタセンパラはタナゴ属の中でも展示施設が少ないレアな種類で、生息地付近で展示されている施設があります。
ここまで
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