インドサイはインド北東部、ネパールに分布しているサイの仲間で、頭部の角は1本のみです。
インドサイは日本で飼育されているサイ科の3種のうち、最も飼育施設の少ない種類です。
インドサイについて!
インドサイは体長310~420cm程度にまで成長するウマ目サイ科インドサイ属の動物です。
インドサイは暗灰色の体色をしており、皮膚は非常に分厚いです。
肩、腰、四肢の基部はヒダのようになっており、皮膚の表面にはブツブツとした突起があります。
鎧をまとったような見た目をしている事から「ヨロイサイ」と呼ばれる事もあるようです。
インドサイは水場を中心に活動しており、昼間は水の中に入っている事も多いです。
泥浴びも頻繁に行うため、体表が茶色になっている個体もいます。
視力は弱いですが、聴覚、嗅覚は発達しており、上のように外耳を器用に動かす事ができます。
角の大きさは個体によって異なりますが、普通は25cm程度で大きな個体では60cm程度にもなります。
種小名の「unicornis」は角が1本しかない事が由来になっています。(シロサイ、クロサイの角は2本)
体が重く鈍重そうなイメージを持たれがちですが、走行時は短距離なら55km/h程度で走ることができます。
食性は草食で、草、木の葉、果実、水生植物など幅広く食べます。
和名 | インドサイ |
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学名 | Rhinoceros unicornis |
英名 | Greater one-horned rhino |
目 | 奇蹄目(Perissodactyla) |
科 | サイ科(Rhinocerotidae) |
属 | インドサイ属(Rhinoceros) |
分布 | インド北東部、ネパール |
生息環境 | 低木林、乾燥林、草原 |
インドサイはインド北東部、ネパールに分布しています。バングラディッシュ、ブータンでは絶滅。
丈の長い草の生えた草原、沼沢地、河川沿いの低木林などに生息しており、普通は単独で行動します。
縄張りを形成し、通路を縄張りとするようです。(侵入した別個体に対しては歯を使って攻撃します。)
水場だけ縄張りを主張せず、他の個体と共有して使用します。
妊娠期間は462~491日で、1度に1頭を出産します。
生まれた子供は1年半ほどは授乳されます。
スポーツハンティングや角を目的にした乱獲により、1900年代初頭には200頭程度にまで減少しましたが、保護活動の成果により個体数は回復傾向にあります。
保護された後も密漁は横行しており、毎年多くのサイが角を目的とした密漁者に狩猟されています。
しかし、野生個体の7割がアッサム州にあるカジランガ国立公園内にいるため、災害や感染症等によってカジランガ国立公園内の個体が減少すると主として絶滅の危機が高まるという危惧もされています。
野生の個体数は2018年時点で3,500頭前後だと考えられています。
IUCNのレッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されています。
インドサイを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
インドサイを展示しているJAZA加入の施設は4ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
インドサイと多摩動物公園
多摩動物公園ではアジアゾーンにてインドサイを展示しています。
多摩動物公園ではインドガンと一緒にインドサイが展示されており、私が訪れた際は水中で休んでいました。(耳だけは頻繁に動かしていました)
多摩動物公園では2021年6月時点で3頭(2♂1♀)のインドサイを飼育しており、2021年3月にはブリーディングローンによってメスの個体を1頭、金沢動物園に移動しています。
この近くのエリアではヒマラヤタール、ムフロン、アジアゾウ、猛禽類などが展示されています。
インドサイと東山動物園
東山動物園では本園の正門近くにてインドサイを展示しています。
東山動物園では上のように水浴びができる場所があり、そこで水を浴びている事が多いです。
地面は泥状になっていますが、そこでゴロゴロしていました。
こちらは別の個体で、器用に木の枝を持ちあげて葉を食べていました。
東山動物園では3頭(2♂1♀)のインドサイを飼育しており、展示場所がローテーションされているようです。
インドサイの近くではマレーバク、アジアゾウ、アクシスジカなどが展示されています。
インドサイを展示している施設の一覧
インドサイを展示しているJAZA加入の施設は4ヵ所です。
多摩動物公園 | 横浜金沢動物園 | 東山動物園 |
秋吉台サファリ |
シロサイやクロサイと比べると展示している施設は少なく、展示施設は関東~東海に3施設が集まっています。
ここまで
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