アムールトラはトラの亜種の中でも最大亜種と言われており、野生の個体数は500頭程度と推計されています。
かつての分布域から「チョウセントラ」や「シベリアトラ」と呼ばれる事もあります。
アムールトラについて!
アムールトラは体長2.5m程度にまで成長するネコ目ネコ科ヒョウ属の動物です。
トラの亜種の中で最大亜種だと言われますが、野生下の個体は餌が少ない環境からベンガルトラの方が大型になる事が多いです。(飼育下ではアムールトラの方が大型になります。)
アムールトラは現存している8つの亜種のうち、最大の亜種で、見た目は一般的にイメージされるトラの見た目をしています。
餌が豊富に与えられる飼育個体の方が野生個体よりも大きくなる傾向にあり、最大で450kgを超えるような個体もいます。
他の亜種よりも寒冷な地域に分布しているため、体毛が長く、特に冬毛は夏毛の3倍ほどの長さになります。
大きな頭部をしており、力の強い顎と大きな犬歯を使って喉に噛みついて窒息させるか脊髄を噛みついて神経を切断するような狩りを行います。
上の個体は子供の個体で、子供が成長して独り立ちするまでの2年間程度は母親と一緒に行動します。
食性は肉食で主食はシカの仲間で、他にイノシシ、ヒグマ、鳥類などを捕食しています。
狩りのスタイルは待ち伏せ型で、背丈の高い草の中や低木で獲物が近づくのを待ち、近づいときを狙って襲い掛かります。(狩りの成功率は約20%程度と低めです。)
和名 | アムールトラ |
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学名 | Panthera tigris altaica |
英名 | Siberian tiger |
目 | ネコ目(Carnivora) |
科 | ネコ科(Felidae) |
属 | ヒョウ属(Panthera) |
分布 | ロシア極東部 |
生息環境 |
森林、水辺 |
アムールトラはロシア極東部のアムール川流域、中国北部も含むウスリー川流域に分布しています。(以前は朝鮮半島北部、モンゴル、中国東部、シベリアなど広く分布していました。)
針葉樹林に生息しており、夏場は水場の近くを好みます。
アムールトラは縄張りを形成し、メスの個体はペアとなるオスの縄張りに隣接する部分を縄張りとします。
オスの個体は一緒に行動する事はありませんが、メスと子供を気にかけて守るようです。
縄張りに侵入する個体(自分の子供は除く)には容赦なく、他の個体の子供を殺してしまう事もあります。
妊娠期間は3ヵ月から3ヵ月半程度で、多くの場合は1度に2~4頭を出産します。
野生の個体数は約500頭程度と推測されていますが、保護活動の成果によって徐々にではありますが、個体数は回復傾向にあります。
IUCNのレッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されています。
日本には生息していませんが、豊臣秀吉が朝鮮出兵を行った際に、当時の肥後を領地として持っていた武将「加藤清正」が虎退治を行ったという逸話は有名です。
虎退治の逸話については実際には真偽不明とされていますが、安土桃山時代には朝鮮半島にもアムールトラが分布していたようです。
アムールトラを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
アムールトラを展示しているJAZA加入の施設は24ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
アムールトラと旭山動物園
旭山動物園ではもうじゅう館にてアムールトラを展示しています。
旭山動物園では5頭のアムールトラを飼育しています。
私の訪れた2020年9月には1頭の母親と3頭の子供が展示されており、子供が忍び足で母親に近寄って飛び掛かったり、子供同士でじゃれあっている姿を見る事ができました。
もうじゅう館ではアムールトラの他にライオン、ユキヒョウ、ヒグマ、アムールヒョウが飼育されていました。
アムールトラと札幌円山動物園(現在は展示なし)
札幌円山動物園では寒帯館にてアムールトラを展示していました。
円山動物園では上のようにガラス越しに見ることができるので、非常に綺麗にアムールトラを観察することができるような展示でした。
展示されていたアムールトラが2021年1月に亡くなっているため、現在では展示されていません。(2021年6月時点)
アムールトラを展示している施設の一覧
アムールトラを展示しているJAZA加入の施設は24ヵ所です。
円山動物園 | 旭山動物園 | おびひろ動物園 |
釧路市動物園 | 大森山動物園 | 宇都宮動物園 |
多摩動物公園 | 富山ファミリーパーク | いしかわ動物園 |
富士サファリ | 日本平動物園 | 浜松動物園 |
豊橋動物園 | 京都動物園 | アドベンチャーワールド |
天王寺動物園 | 王子動物園 | 安佐動物公園 |
福山動物園 | 徳山動物園 | 到津の森公園 |
福岡市動物園 | 九州サファリ | 熊本市動植物園 |
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。