シロザケは日本で漁獲されるサケ類の中でも最も漁獲量が多い種類で、生まれた川に遡上する生態を持つことで知られています。
「サケ」と呼ばれていますが、他のサケ類と混同するのを防ぐために「シロザケ」と呼ばれることも多いです。
この記事中ではシロザケと表記しています。
シロザケについて!
シロザケは体長80cm程度にまで成長するサケ目サケ科サケ属の魚です。
成熟し、川を遡上するシロザケは上の写真のような模様と体色をしています。
上の個体はオスで、鼻が曲がっており、歯がむき出しになっている事で見分けることができます。(他にもオスの方が体格が良い事、脂鰭が大きくなる傾向にある事などの外見上の違いがあります。)
上の個体がメスのシロザケで、オスと比べると優しい顔つきをしています。
シロザケの学名は「Oncorhynchus keta」ですが、種小名の「keta」はラテン語で「かぎ状の鼻」という意味があります。
これは成熟したオスの鼻の形状が由来となっています。
上の写真は数cmの小さな個体で、成熟した個体とは異なり銀色の体色をしています。(大きな個体でも成熟していない個体は銀色の体色をしています。)
食性は肉食で、生まれたばかりの稚魚は水生昆虫などを、海に降りた後は魚類や甲殻類等を捕食しています。
和名 | シロザケ |
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学名 | Oncorhynchus keta |
英名 | Chum salmon |
目 | サケ目(Salmoniformes) |
科 | サケ科(Salmonidae) |
属 | サケ属(Oncorhynchus) |
分布 |
北太平洋、北極海の一部 |
生息環境 | 河川、外洋 |
シロザケは日本海、オホーツク海、ベーリング海など北部太平洋全域に生息しています。
シロザケが遡上する河川は東北・北海道に多いですが、近畿・山陰地方でもシロザケが遡上する河川があります。
10~12月頃に産卵された卵が孵化し、翌年3~4月には海へと降りていきます。
海に降りた後は1~6年の間、海洋で生活し、生まれた川へと回帰し産卵を行います。(サケ類の中でも母川回帰性が高いですが、稀に生まれた川以外の川を遡上する個体もいます。)
昔から食用として利用されており、特に北海道では石狩鍋や十勝鍋などサケを使った郷土料理もあります。
サケ類は水産資源保護のために厳しく管理されており、特に河川や河口域では厳しい制限がかかっています。
その一方で、河川や河口域から離れると遊漁の制限も少なくなるため、サケが遡上する河川近くの海ではシーズンになると大量の釣り人が訪れるようです。(細かい決まりがあるので、釣りに行く方は事前にチェックして下さい)
地域によって時期は若干異なりますが、砂浜から狙う場合は10月が最盛期のようです。
シロザケを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2020年10月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
シロザケを展示しているJAZA加入の施設は10ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
シロザケと千歳水族館
千歳水族館ではサーモンゾーンにてシロザケを展示しています。(成魚は千歳川を遡上してきた個体を展示しているため、秋期限定の展示となります。)
秋限定ですが、上のようにカラフトマスとシロザケが展示されているのを見ることができます。
カラフトマスはオスしか展示されていませんが、シロザケはオス・メスの両方が展示されています。
千歳水族館は千歳川の横にあり、川の中を覗くことができる水中観察ゾーンでもシロザケを見ることができます。
自然の川の中を覗くことができるので、遡上シーズンでも見ることができない場合もあると思います。
私が訪れたのは9月でしたが、上のように群れで遡上するシロザケを見ることができました。(他にもブラウントラウトやウグイもいました。)
観光名称ともなっているインディアン水車が施設横の千歳川に設置されています。
遡上してくる水車で捕獲し、オスとメスに分けて採卵・受精させ、稚魚を放流する事で成長後に千歳川に戻ってくるという仕組みになっています。
シロザケの遡上シーズンに訪れるとグルグル回る水車と水揚げされたシロザケが分別されるのを見ることができます。
シロザケと登別マリンパークニクス
登別マリンパークニクスではニクス城内でシロザケを展示しています。
上のような円柱型の水槽でシロザケの小さな個体が展示されています。
登別マリンパークニクスは北海道の施設の中ではサケ類の展示が少ない施設で、シロザケが館内で展示されている唯一の種類です。
シロザケを展示している施設の一覧
シロザケを展示しているJAZA加入の施設は10ヵ所です。
サンピアザ水族館 | 登別ニクス | 千歳水族館 |
加茂水族館 | 鴨川シーワールド | 新潟市水族館 |
上越水族博物館 | 寺泊水族博物館 | のとじま水族館 |
宮津水族館 |
シロザケは日本海側や北海道・東北で多く展示されています。
鴨川シーワールドでも飼育されているようですが、展示はされていませんでした。(2020年10月時点)
ここまで
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