アジアゾウはインド、東南アジアの一部に分布しているゾウの仲間で、最大で体重6トンを超える事もある陸上哺乳類の中でも大型の種類です。(最も大型に成長するのがアフリカゾウで10トンを超える個体もいます。)
アフリカゾウよりも人に慣れるため、サーカスや動物園で飼育されているのは本種が多いです。
目次
アジアゾウについて!
アジアゾウは5.5~6.5m程度に成長し、大型のオスは体重6,000kgを超えます。
メスはオスと比べると小さく、体重は平均で2,700kg程度です。(オスの平均体重は5,400kg)
アジアゾウは灰色や銅色の体色をしており、オスには大きな牙があります。(メスの牙は小さいか存在しません。)
動物園ではある程度大きくなると牙を切る事が多いため、オスでも牙が小さい場合もあります。(牙を切る理由はペアで同棲中にメスを傷つけない等です。)
ちなみに、アフリカゾウにはオスもメスも牙を持ちます。
牙は外敵への攻撃や防衛、木の樹皮を剥がしたりなど幅広く使用されています。
長い鼻はゾウの最大の特徴で、器用に操って物をつかむこともできます。(外敵に襲われた際にも使用します。)
アフリカゾウに比べると耳が小さく、体毛が多いです。
食性は草食で、マメ科、イネ科などの草を主食に、木の枝・葉、果実、樹皮なども捕食しています。
1日に最大で150kgもの植物を食べる事があるようで、飲料水も80~200リットルと必要とします。
和名 | アジアゾウ |
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学名 | Elephas maximus |
英名 | Asian elephant |
目 | ゾウ目(Proboscidea) |
科 | ゾウ科(Elephantidae) |
属 | アジアゾウ属(Elephas) |
分布 |
インド、スマトラ島、ボルネオ島 カンボジア、スリランカなど |
生息環境 | 森林、草原 |
アジアゾウはインド、スマトラ島、ボルネオ島、カンボジア、スリランカなどに分布しています。
アジアゾウの現存する亜種は3種とされています。
・セイロンゾウ(Elephas maximus maximus)
・インドゾウ(Elephas maximus indicus)
・スマトラゾウ(Elephas maximus sumatranus)
上記の3亜種に加え、ボルネオゾウもアジアゾウの亜種とする説もあります。
IUCNのレッドリストではアジアゾウとして絶滅危惧IB類、スマトラゾウは絶滅危惧IA類に指定されています。
亜種の中ではスリランカに分布しているスリランカゾウが最も大型に成長(スリランカゾウの体重は2,000~5,500kg)し、スマトラゾウはインドゾウ、スリランカゾウと比べると小型です。(スマトラゾウの体重は2,000~4,000kg)
主に森林に生息しており、食料を求めて移動する事もあります。(近年では生息環境が減少しており、季節的に淡距離を移動することがほとんどです。)
メスと子供が集まって群れを形成しますが、この群れに発情期のオスが混じる場合もあります。
妊娠期間は615~668日で、1度に1頭を出産します。 寿命は60~80年程度と考えらえています。
アジアゾウは約4,000年前もの古くから牙が象牙細工の原料として利用されており、紀元前には戦争にもアジアゾウが利用されていました。
戦争では使用されなくなった後も運搬などに使役されていました。
現在では生息環境の開発、牙・使役・薬用に利用するために狩猟・乱獲されている事で生息数は減少しています。
アジアゾウを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
アジアゾウを展示しているJAZA加入の施設は21ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
アジアゾウと札幌円山動物園
札幌円山動物園ではゾウ舎にてアジアゾウを展示しています。
札幌円山動物園では4頭(1♂3♀)のアジアゾウを飼育しており、2019年3月にオープンされたゾウ舎にて展示されています。
札幌円山動物園では長年アジアゾウが飼育されていませんでしたが、2018年12月にミャンマーから4頭のアジアゾウが来園しました。
園内でも大きな面積を持つ展示場の中で展示されており、いくつかの展示場に分かれています。
ゆったりとした展示場の中で行動するアジアゾウを観察する事ができる施設となっています。
アジアゾウと千葉市動物公園
千葉市動物公園では平原ゾーンにてアジアゾウを展示しています。
千葉市動物公園では2頭のアジアゾウが飼育されており、展示場に出ているのは基本的にメスの個体のようです。(オスの個体はセイロンゾウのようです。)
上のように砂浴びをする姿を見る事ができ、背中にも土が積もっていました。
アジアゾウが展示されている近くではキリン、シロオリックス、ミーアキャット、ダチョウなどが展示されています。
アジアゾウと東山動物園
東山動物園ではにてアジアゾウを展示しています。
東山動物園では3頭のアジアゾウを飼育しており、そのうち1頭は東山動物園で誕生した個体となっています。
また、2021年7月にも妊娠が確認されたようです。(アジアゾウは妊娠期間が長いので出産は約2年後です。)
アジアゾウの展示場の近くではアクシスジカ、アカカンガルー、ベネットアカクビワラビー、インドサイ、マレーバクなどが展示されています。
アジアゾウを展示している施設の一覧
アジアゾウを展示しているJAZA加入の施設は21ヵ所で飼育しています。
円山動物園 | 岩手サファリ | 宇都宮動物園 |
那須サファリ | かみね動物園 | 上野動物園 |
千葉市動物公園 | 市原ぞうの国 | 遊亀公園動物園 |
いしかわ動物園 | 茶臼山動物園 | 富士サファリ |
日本平動物園 | 浜松動物園 | 東山動物園 |
京都動物園 | 王子動物園 | 福山動物園 |
到津の森公園 | 九州サファリ | フェニックス動物園 |
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。