キリンは世界で一番背の高い動物として知られており、5.5m以上に成長する個体もいます。
日本で飼育されている亜種はアミメキリンが多いですが、一部の動物園ではマサイキリンも飼育されています。
目次
キリンについて!
キリンはオスが体高5m前後、メスが体高4~4.5m程度にまで成長する鯨偶蹄目キリン科キリン属の動物です。
キリンの体色は赤褐色、褐色、黒色に黄淡色の模様など個体差があり、模様も個体による差があります。
非常に長い首をしていますが、頭を支える頸椎は他のほとんどの哺乳類と同じく7個の骨で構成されています。
視覚は特に優れていますが、聴覚・嗅覚も発達していると言われています。
キリンには頭部に5本の角があります。(目立つのは左右の2本で、額に1本、左右の大きな角の後ろに1本ずつ)
オスの個体は背の高さで優劣を決定しますが、優劣あ決まっていない場合は首をぶつけ合って争う事もあります。
キリンは長い舌を持っており、器用に動かして木の葉などをよりわける事ができます。
食性は草食で、アカシアの仲間やシクンシ科の植物の葉、枝などを主食に果実や草を食べる事もあります。(鳥などを食べる事もあるようです。)
アフリカに生息している多くの草食動物が季節的な移動を行いますが、競合相手のいない木を主食としているキリンは移動を行いません。
和名 | キリン |
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学名 | Giraffa camelopardalis |
英名 | Giraffe |
目 | 鯨偶蹄目(Cetartiodactyla) |
科 | キリン科(Giraffidae) |
属 | キリン属(Giraffa) |
分布 | アフリカ大陸中部~南部に飛び地的に分布 |
生息環境 | サバンナ |
キリンはアフリカ大陸中部~アフリカ大陸南部の限られた範囲にのみ分布しています。
生息地が分断されており、亜種の分類については諸説ありますが、3~9亜種程度に分けられています。
疎林や草原に10~20頭程度の群れで生活しており、この群れは群れを構成する個体は頻繁に入れ替わります。
成獣が外敵に襲われる事はほとんどありませんが、幼獣はライオン、ハイエナ、ヒョウなどに狙われる事があります。 母親は子供を守るために蹴りで対抗し、この蹴りはライオンを殺す事もあります。
妊娠期間は453~464日程度で、出産した子供の授乳期間は約10ヵ月程度です。(生後2週間程度で植物も食べるようになります。)
現地では食用・革目的の密漁などによって種全体の個体数は減少していますが、亜種によっては個体数は増加傾向にあります。
IUCNのレッドリストではキリン全体として絶滅危惧IB類に指定されています。
亜種別にすると
ヌビアキリン(Giraffa camelopardalis camelopardalis)、コルドファンキリン(Giraffa camelopardalis antiquorum)は絶滅危惧IA類に指定されています。
アミメキリン(Giraffa camelopardalis reticulata)、マサイキリン(Giraffa camelopardalis tippelskirchi)は絶滅危惧IB類に指定されています。
ナイジェリアキリン(Giraffa camelopardalis peralta)、キタローデシアキリン(Giraffa camelopardalis thornicrofti)は絶滅危惧II類に指定されています。
キリンを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
キリンを展示しているJAZA加入の施設は55ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
アミメキリンと旭山動物園
旭山動物園では きりん舎にてアミメキリンを展示しています。
旭山動物園では3頭(1♂1♀1子供)を飼育しており、2020年12月に赤ちゃんが誕生したばかりです。
旭山動物園では円状の展示場で展示されており、上の画像のようにキリンの足元の視点からガラス越しにキリンを見る事もできます。(運が良いと上のように急接近するキリンを見ることができます。)
ガラス越しで見えるだけではなく、キリンの頭部と同じくらいの高さから見ることもできます。
様々な角度から見る事ができ、キリンとの距離も近いので非常にオススメの展示となっています。
アミメキリンと上野動物園
上野動物園では西園にてアミメキリンを展示しています。
上野動物園では3頭(1♂1♀1子供)が飼育されており、親子で展示場に出ている姿を見ることができます。
上野動物園では2020年2月に37年ぶりにもなる子供が誕生しています。
ゲージ越しで少し見にくいですが、ゲージに餌を括り付けてある事があり、間近で舌を出して餌を食べるキリンを観察する事ができます。
隣には同じキリン科の動物であるオカピも展示されています。
アミメキリンと多摩動物公園
多摩動物公園ではアフリカ園にてアミメキリンを展示しています。
多摩動物公園では広い展示場で多くのキリンを展示しており、飼育頭数は15頭以上(2020年8月時点)となっています。
国内の動物園の中でもキリンの飼育頭数が多い動物園で、繁殖にも多く成功しているため、国内の他の動物園では多摩動物公園生まれのキリンが多く飼育されています。
上のようにペリカン池から見るとペリカンとキリンを同時に見ることができます。
アミメキリンとズーラシア
ズーラシアではアフリカのサバンナにてアミメキリンを展示しています。
ズーラシアでは4頭のアミメキリンを飼育しており、2019年には赤ちゃんも誕生しています。
ズーラシアでは上のように大きな展示場でエランド、シマウマ、チーターと一緒に展示されており、大きな展示場内でも背の高いキリンは非常に目立ちます。
キリンを展示している施設の一覧
アミメキリンを展示しているJAZA加入の施設は43ヵ所となっています。
旭山動物園 | おびひろ動物園 | 釧路市動物園 |
大森山動物園 | 盛岡市動物公園 | 岩手サファリ |
八木山動物公園 | 宇都宮動物園 | 那須サファリ |
桐生が岡動物園 | 群馬サファリ | かみね動物園 |
上野動物園 | 羽村市動物公園 | 千葉市動物公園 |
市原ぞうの国 | 野毛山動物園 | 横浜金沢動物園 |
よこはま動物園 | 富山ファミリーパーク | いしかわ動物園 |
茶臼山動物園 | 伊豆アニマルキングダム | 浜松動物園 |
豊橋動物園 | 東山動物園 | 京都動物園 |
アドベンチャーワールド | 天王寺動物園 | 王子動物園 |
姫路セントラルパーク | とべ動物園 | のいち動物公園 |
安佐動物公園 | 福山動物園 | 徳山動物園 |
秋吉台サファリ | 到津の森公園 | 福岡市動物園 |
九十九島動植物園 | 長崎バイオパーク | 九州サファリ |
沖縄こどもの国 |
マサイキリンを展示しているJAZA加入の施設は3ヵ所となっています。
熊本市動植物園 | フェニックス動物園 | 平川動物公園 |
キリン(亜種不明)を展示されているJAZA加入の施設は9ヵ所となっています。
円山動物園 | 那須サファリ | 埼玉こども動物公園 |
東武動物公園 | 多摩動物公園 | 富士サファリ |
日本平動物園 | 姫路動物園 | 大牟田動物園 |
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。