コバンザメは大型のサメやクジラ、ウミガメなどに吸盤で吸い付くことで知られているスズキ目コバンザメ科の魚です。
大きな魚に吸い付いているイメージが強い魚ですが、大型の個体は単独で表層部を活発に泳ぐことも多いです。
コバンザメについて!
コバンザメは体長1m以上に成長するスズキ目コバンザメ科コバンザメ属の魚です。
コバンザメ属は2種が確認されており、日本近海で見られるのは本種のみです。
コバンザメは細長い体型をしており、体の中央部付近に黒色の縦帯があります。(右上の白っぽいのはナガコバン?)
頭部の吸盤が小判状をしていることがコバンザメという名称の由来となっています。
コバンザメと言えば、大きな生物の体に吸い付いて寄生虫や排泄物を食べて生活することで有名です。
これは吸い付かれている側には利益がないため「片利共生」と言います。(ウミガメやクジラ、サメなどに引っ付きます。)
40cm以下の小さな個体は他の生き物に吸い付いている事が多いですが、大型の個体は単独で遊泳することも多いです。
上のように背側に吸盤を持っており、この吸盤は背鰭が変化したものです。
吸盤には28枚の隔壁があり、後方に倒れていますが、くっつく際には垂直に立ち上がることで、隔壁と隔壁の間の水圧が周囲の海水の圧力よりも小さくなる事を利用して吸い付いています。(自分が離れる際は吸い付いている魚よりも早く泳ぐことで離れることができます。)
食性は肉食で寄生虫や大型魚の食べ残しを捕食しています。
和名 | コバンザメ |
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学名 | Echeneis naucrates |
英名 | Live sharksucker |
目 | スズキ目(Perciformes) |
科 | コバンザメ科(Echeneidae) |
属 | コバンザメ属(Echeneis) |
分布 |
世界中の温帯海域 |
生息環境 |
コバンザメは世界中の温帯海域に生息しており、国内では北海道~九州、琉球列島など幅広い地域で見られます。
コバンザメ科にはコバンザメ属の他にスジコバン属、ナガコバン属があります。(ナガコバン属が最も多くの種類が分類されています。)
市場に流通することはほとんどありませんが、美味しい白身魚で刺身や煮付けなどで食べられるようです。
コバンザメを展示している水族館!
情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年9月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
コバンザメを展示しているJAZA加入の施設は20ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
コバンザメと新江ノ島水族館
新江ノ島水族館では相模湾ゾーンにてコバンザメを展示しています。
コバンザメが展示されている水槽では内湾でも見られるような魚が多く展示されており、コバンザメの他にニシキベラ、クロホシイシモチ、アイゴ、ホシササノハベラ、イトフエフキなどが展示されています。
コバンザメが吸い付くような大型の魚は展示されていないため、ガラス面や壁に吸い付いている姿を見ることができます。(ガラス面に吸い付いていると吸盤が観察しやすいです。)
コバンザメと志摩マリンランド
志摩マリンランドではサンゴ礁の魚エリアにてコバンザメを展示しています。
上の3個体は体側にラインがないので、ナガコバンっぽいですが、水槽内ではコバンザメも展示されています。(掲示にはコバンザメとクロコバン)
この水槽ではコバンザメの他にナガコバン?、クロコバンが展示されており、コバンザメだけが展示されている水槽となっています。
コバンザメを展示している水族館の一覧
コバンザメを展示しているJAZA加入の施設は20ヵ所です。
男鹿水族館 | 鴨川シーワールド | 寺泊水族博物館 |
東海だ海洋博物館 | のとじま水族館 | 越前松島水族館 |
南知多ビーチランド | 志摩マリンランド | 伊勢シーパラダイス |
串本海中公園 | 大阪海遊館 | 須磨水族園 |
城崎マリンワールド | 姫路水族館 | しまね海洋館 |
海の中道水族館 | ペンギン水族館 | 大分マリーンパレス |
かごしま水族館 | 美ら海水族館 |
JAZA加入の施設ではありませんが、新江ノ島水族館で展示されているのを確認しました。(2020年10月時点)
コバンザメ科の中でも最も多くの施設で展示されています。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。