ビゼンクラゲは古くから食用として利用されてきたクラゲで、備前の国(岡山県東南部、兵庫県赤穂市の一部など)が名産地であったことが名前の由来となっています。
現在では高級食材として流通しており、同じく食用として利用されているエチゼンクラゲよりも味が良いとされています。
ビゼンクラゲについて!
ビゼンクラゲは傘の直径が70cmを超える個体もいる大型のクラゲで、重さは20kgにもなるようです。
上の個体は10cm程度の個体ですが、傘がうっすらと赤くなっています。
大きくなると更に赤味を帯びていきます。
8本の口椀があり、他の多くのクラゲのように傘の縁から触手は生えていません。
口椀からは複数の付属器を備えています。
有明海付近では、赤色の体色からアカクラゲという地名で呼ばれていますが、標準和名「アカクラゲ」とば別種です。
5cm程度の小型の個体ですが、触手はフワフワとしており他のクラゲにはないシルエットになっています。
飼育技術が発達し、小型、中型のクラゲの飼育は行えるようになりました。
しかし、多くの大型のクラゲの飼育技術は確立されておらず、ビゼンクラゲも例外ではありません。
夏の時期だけ期間限定で展示する施設も多いようです。(この時期に行くと大型の個体が見られるかもしれません。)
和名 | ビゼンクラゲ |
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学名 | Rhopilema esculenta |
英名 | Edible jellyfish |
目 | 根口クラゲ目(Rhizostomeae) |
科 | ビゼン科(Rhizostomidae) |
属 | ビゼン属(Rhopilema) |
分布 | 西部太平洋 |
生息環境 | 岩礁 |
ビゼンクラゲは西部太平洋のうちの瀬戸内海、有明海、朝鮮半島沿岸、中国沿岸に生息しているクラゲです。
春に小型の個体が発生しだし、8月が漁の最盛期となります。
12月頃には死んでしまい、寿命は1年だと考えられています。
中国料理の食材として利用され、高級食材とされています。
1970年代には4,000トンもの漁獲量がありましたが、1990年には漁獲量が少なくなっていきました。
しかし近年になって大量発生し、漁獲しきれないほどの数が発生する年があり、他の漁船がクラゲ漁へと転向することがあったようです。(他の漁ができないくらいのビゼンクラゲが発生したようです)
漁獲されたビゼンクラゲの多くは中国へ輸出されるようです。
有明海ではビゼンクラゲを漁獲する際は刺し網漁を行うようです。
英名の「Edible jellyfish」は食べることができるクラゲという意味で、食用となることが由来になっているようです。
ビゼンクラゲを展示している水族館!
情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
ビゼンクラゲを展示しているJAZA加入の施設は5ヶ所となっています。
展示施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
ビゼンクラゲと すみだ水族館
すみだ水族館ではクラゲエリアにてビゼンクラゲを展示しています。
1尾だけ10cm近い個体が展示されていましたが、他の個体は5cm以下の個体が展示されていました。
大型個体のように、赤色のフサフサの触手を見ることはできませんが他のクラゲとは異なる形をしているので是非観察してみてください。
ビゼンクラゲの展示水槽の隣ではタコクラゲ、キャノンボールジェリーが展示されています。
ビゼンクラゲを展示している水族館の一覧
ビゼンクラゲを展示しているJAZA加入の施設は5ヶ所となっています。
加茂水族館 | 新潟市水族館 | 上越水族博物館 |
のとじま水族館 | 海の中道水族館 |
大型の個体が展示されている水族館は見たことがないため、飼育が難しいのかもしれません。
夏場限定で展示している水族館も多いので、見たい方はSNS等で展示している施設を探してみると良いかもしれません。
上記には記載されていませんが すみだ水族館でも展示されていました。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。