水族館魚図鑑-イサキ科(Haemulidae)

イサキ科は国内では20種類程度が確認されており、食用として重要な種類も多くいます。

沿岸部に生息する種類が多く、派手な見た目をした種類も多い事から水族館で展示されることも多いです。

 

 

イサキ科(Haemulidae)

イサキ科は17属約140種類が確認されている、スズキ目の中でも大きな科です。(種類数で考えるとスズキ目の中で5番目に大きな科です。)

沿岸部~汽水域に生息する種類が多く、日本では20種類が確認されています。

イサキは磯に生息している「磯魚」が名前の由来になっていると言われています。

多くの種類が食用として利用されており、日本国内では特にイサキ、コロダイ、コショウダイの仲間が多く漁獲され、重要な水産資源となっています。

イサキ科の中でもコロダイやコショウダイは大型に成長し、体長60cm程度にまで成長します。

側扁した体型を持つ種類が多く、背鰭は1つで9~14本の棘条と11~26本の柔条で構成されています。

食性は肉食で甲殻類等を捕食している種類が多いです。

アツクチイサキ属(Anisotremus)

アツクチイサキ属は東部太平洋~大西洋に10種類が確認されており、そのうち3種類が大西洋に分布しています。

国内で見られる種類はいませんが、アツクチイサキ属という和風な名前が付けられています。

 

ポークフィッシュ
 

国内に分布している種類はいませんが、ポークフィッシュと呼ばれるカリブ海等に生息している魚を展示している水族館が数カ所あります。(葛西臨海水族園、サンシャイン水族館、海遊館、新潟マリンピア等)

ポークフィッシュは豚のようにブーブーという音を出す事が名前の由来となっています。(アツクチイサキ属の魚は音を出す事ができるようです。)

イサキ属(Parapristipoma)

イサキ属は4種類が確認されていますが、国内に分布している1種類のみです。

国内では「イサキ」のみが分布していますが、イサキ科の中で最も認知度の高い種類だと思います。

 

イサキ
 

イサキは日本だけではなく、中国沿岸部、朝鮮半島などの太平洋北西部に分布しています。

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左側がイサキの小型の個体で、右側がイサキの成魚です。

イサキの幼魚は体側の上半分に暗色の3本の縦縞がありますが、成魚になると消失します。(成魚も春~夏になると縦縞模様が表れます。)

イサキの幼魚は縦縞模様がイノシシの子供(ウリ坊)の模様に似ている見える事から「ウリボウ」、「ウリンボウ」などと呼ばれる事もあります。

国内では釣りの対象魚となる他、食用としても重要な種類です。(味が良いためやや高値で取引されています。)

コショウダイ属(Plectorhinchus)

コショウダイ属は31種類が確認されており、日本国内では10種類が確認されています。

コショウダイは「体側に胡椒のような斑点がある事」、「小姓が着ていた衣装に似ている事」など、由来に複数の説があります。

イサキ科の中でも大型の魚が多い科で、日本で見られる種類も多いです。

 

アジアコショウダイ
 
アヤコショウダイ
 
オシャレコショウダイ
 
コショウダイ
 
ダイダイコショウダイ
 
チョウチョウコショウダイ
 
ヒレグロコショウダイ
 

 

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上の写真はチョウチョウコショウダイで、左側が幼魚、右側が成魚です。

コショウダイ属の魚は幼魚と成魚で大きく見た目が変わります。

これは幼魚の時期に他の捕食者から襲われないように、有毒種に擬態している可能性があると言われています。

 

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上の写真はチョウチョウコショウダイの若魚で、幼魚の模様と成魚の中間のような見た目をしています。

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コショウダイ属の種類は分厚い唇をしており、派手な見た目をした種類が多いです。

コロダイ属

コロダイ属はインド洋~西部太平洋に5種類が確認されており、国内ではコロダイ、ヒレグロコロダイの2種類が確認されています。

コロダイはコロダイの幼魚の模様がイノシシの子供に似ており、和歌山ではイノシシの子供を「コロ」と呼んでいた事が由来となっています。

 

コロダイ
 

味が良い魚で、主に西日本で漁獲されています。(関東周辺では幼魚が中心です。)

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上の写真はコロダイの幼魚(左)と若魚(右)です。

 

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上の写真はコロダイの成魚です。

成魚とは大きく見た目が異なり、観賞魚として飼育されることもあるようです。

タイセイヨウイサキ属(Haemulon)

タイセイヨウイサキ属は世界中で23種類が確認されており、日本国内で見られる種類はいません。

タイセイヨウイサキ属は名前の通り、ほとんどが大西洋西部に分布しています。

 

フレンチグラント
 

大きな群れを作る種類が多く、現地では食用として利用されています。

国内で見ることができるタイセイヨウイサキ属は、葛西臨海水族園でフレンチグラントという種類が展示されているのみです。

ヒゲダイ属

ヒゲダイ属は従来、イサキ科に含まれていましたが、独立したヒゲダイ科として分類することが提唱されています。

ヒゲダイ属は8種類が確認されており、国内では4種類が確認されています。

 

シマセトダイ
 
セトダイ
 
ヒゲソリダイ
 
ヒゲダイ
 

ヒゲダイは口の下に髭が生えている事が名前の由来となっています。

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上の写真はヒゲダイの口元です。

他のイサキ科と比較すると体高があり、漁獲量は少ないですが食用としても利用されています。

イサキ科を観察するのにオススメの水族館の紹介!

イサキ科は世界中で約140種類が確認されていますが、国内の水族館で展示されているのは15種類ほどです。

展示されている種類のほとんどがコショウダイ属、ヒゲダイ属です。

今回は私が訪れた事のある水族館のうち、イサキ科の魚を多く展示している水族館を紹介します。

アクアパーク品川

アクアパーク品川では6種類のイサキ科の魚を展示しており、ほとんどが同じ水槽で展示されているため観察しやすい施設です。

 

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アクアパーク品川で展示されているイサキ科の多くが上のワンダーチューブ内で展示されています。

ワンダーチューブはノコギリエイやナンヨウマンタ、シノノメサカタザメなど大型のエイが泳ぐ水槽で、イサキ科の魚は水槽の端の方にある岩礁部分に居ることが多かったです。

アクアパーク品川ではコロダイ、ダイダイコショウダイ、チョウチョウコショウダイ、ヒレグロコショウダイ、アヤコショウダイ、ムスジコショウダイが展示されています。(ダイダイコショウダイを展示しているのはアクアパーク品川のみ)

 

ここまで

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