鳥図鑑-フンボルトペンギン(Spheniscus humboldti)

フンボルトペンギンは国内で最も多く飼育・展示されているペンギンで、国内で飼育されているペンギンの羽数のうち約半分がフンボルトペンギンです。

フンボルトペンギンは温帯の気候でも野外で飼育されることから多くの施設で野外で展示されています。

フンボルトペンギンはフンボルト海流の沿岸に生息していることが名前の由来になっています。

 

 

フンボルトペンギンについて!

フンボルトペンギンは65cm程度のペンギン目ペンギン科ケープペンギン属の鳥で、ペンギン目としては中型の種類です。

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フンボルトペンギンの成鳥は胸元に1本の黒線が入っており、クチバシの根元がピンク色になっています。

上の写真の左側から2番目の個体のように、若い個体は胸元の黒い線もクチバシの根本のピンク色もありません。

腹には黒点がありますが、これは個体差があり個体の識別にも用いられています。

後脚は水中を泳ぎやすいように水かきがあり、爪も生えています。

 

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横からの見たフンボルトペンギン。

体の模様はケープペンギンと似ていますが、上の写真のようにクチバシの根本がピンク色になることで見分けることができ、マゼランペンギンとは胸部に入る黒い線の数が違うことで見分ける事ができます。

ペンギンの見分け方は下の記事で紹介しているので、興味がある方は是非見てください。

www.gogo-zoo-aquarium.com

 

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食性は肉食でサンマやカタクチイワシ、マイワシ等の魚の他に、オキアミやイカなども捕食しています。

潜水可能時間は最大で2分半程度で、最高で50m以上潜水した記録もあるようです。(基本的には深くまで潜水することは少ないです)

1年に1度換羽し、換羽した直後は羽が水を弾かないため海に潜ることができません。(チリでは2月、ペルーは1月) 

 

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フンボルトペンギンは1回の産卵で2個の卵産卵し、産卵した卵は40日程度で孵化します。

産卵は巣を作り、その巣の中で産卵します。(巣を作るための素材集めなど、巣を作る活動はほとんどオスが行います。 飼育下ではメスが手伝うこともあることから野生下ではメスは産卵のために栄養をとるためオスが巣を作るのかもしれません。)

飼育下では周年繁殖を行い、野生下では地域により1回または2回繁殖を行うと言われています。

繁殖を行う際は前年と同じ個体同士でペアを組むことが多く、巣も使用したものを再度使用することが多いようです。

野生化ではマゼランペンギンと生息域が局地的に被っているため、交雑個体も確認されています。

飼育下・野生でも同じケープペンギン属と交雑することが知られており、これらを同種とする説もあります。

 

和名 フンボルトペンギン
学名 Spheniscus humboldti
英名 Humboldt penguin
ペンギン目(Sphenisciformes)
ペンギン科(Spheniscidae)
ケープペンギン属(Spheniscus)
分布

チリ中部~ペルー

生息環境  

フンボルトペンギンは南アメリカ大陸のベルー中部、チリの沿岸部に生息しており、生息地の南端の方ではマゼランペンギンと生息域が重なっています。

フンボルトペンギンの野生での生息数は年々減少していますが、日本では産卵した卵のほとんどを偽物の卵にすり替えて飼育数が増えすぎないようにコントロールしています

他の国では繁殖があまり上手く行っていないこともあり、生息地でもあるチリから飼育担当者が来日して研修を受けたり、飼育器具を送ることもあったようです。

日本では繁殖が各水族館で行われているため、ヒナや若い個体を見る機会も多いです。

野生での生息数は2万羽程度(諸説あり)と言われており、日本での飼育数が1,500羽くらいと言われているので、全体に占める日本での飼育数が多い種類です。

フンボルトペンギンを展示している水族館!

情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年5月更新)

実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)

 

フンボルトペンギンは国内で最も多くの施設で展示されているペンギンです。

JAZA加入のうち60ヵ所以上の施設で展示され、合計で1,000羽以上飼育されています。

フンボルトペンギンと葛西臨海水族園

葛西臨海水族園では野外の大きなペンギンプールでフンボルトペンギンを展示しています。

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上の写真から分かるように大量のフンボルトペンギンが展示されており、葛西臨海水族園での飼育数は100羽を超えています。

フンボルトペンギンは通年野外で展示されていますが、寒い時期にはミナミイワトビペンギン、オウサマペンギンといったフンボルトペンギンよりも冷たい地域で生活しているペンギンも展示されています。

冬~春くらいの間は上記の3種類が泳いでいる姿を観察することができ、それ以外の時期フンボルトペンギンのみが展示されています。

隣のプールではペンギン目の最小種 フェアリーペンギンも展示されています。

 

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葛西臨海水族園では餌やりを観察するイベントが行われており、上の写真のように魚を食べる姿を見ることができます。

多くの水族館・動物園では飼育員から手渡しでペンギンに餌を与えるのですが、葛西臨海水族園ではプールに餌をばら撒く形で餌を与えます。

水中に潜って餌を咥えてから浮上して食べる姿を観察することができるのでオススメです!(海中の様子も見ることができますが、餌を与えている時は濁るので見ずらいです…)

エサは喉に詰まらないように頭から飲み込んでいきます。

フンボルトペンギンと大洗水族館

大洗水族館のオーシャンゾーンにてフンボルトペンギンを展示しています。

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同じ関東の葛西臨海水族園と比べると展示されているフンボルトペンギンの展示数は少なく、展示されているペンギンもフンボルトペンギンのみです。

しかし、葛西臨海水族園に比べると距離感が近く、水中を見ることができるガラスも水も綺麗なので観察しやすいオススメの水槽です。

手前の胸元の線がない個体が若い個体です。

フンボルトペンギンとズーラシア

ズーラシアでは亜寒帯の森エリアにてフンボルトペンギンを展示しています。

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私が訪れた際は陸に上がっている個体が多かったですが、時間によるものかもしれません。

ただ、ペンギンへの距離が遠いので観察はしにくいかもしれません。

フンボルトペンギンを展示している施設一覧

フンボルトペンギンを展示しているJAZA加入の施設は64ヵ所となっています。

丸山動物園 旭山動物園 釧路市動物園
小樽水族館 弥生いこいの広場 大森山動物園
八木山動物公園 那須どうぶつ王国 桐生が岡動物園
群馬サファリ かねみ動物園 埼玉こども動物公園
東部動物公園 井の頭文化公園 羽村市動物公園
江戸川区自然動物園 千葉市動物公園 夢見ヶ崎動物公園
野毛山動物園 よこはま動物園 大洗水族館
鴨川シーワールド 葛西臨海水族園 富山ファミリーパーク
高岡古城公園動物園 小諸動物園 須坂動物園
茶臼山動物園 飯田動物園 日本平動物園
浜松動物園 豊橋動物園 東山動物園
新潟市水族館 三津シーパラダイス 下田海中水族館
魚津水族館 のとじま水族館 越前松島水族館
南知多ビーチランド 京都動物園 和歌山城公園
天王寺動物園 王子動物園 鳥羽水族館
志摩マリンランド 伊勢シーパラダイス 城崎マリンワールド
姫路水族館 とくしま動物園 とべ動物園
のいち動物公園 安佐動物公園 福山動物園
徳山動物園 しまね海洋館 桂浜水族館
おさかな館 宮島水族館 福岡市動物園
九十九島動植物園 熊本市動植物園 平川動物公園
ペンギン水族館    

フンボルトペンギンは取引が厳しく制限されているため、新しい水族館や動物園ではフンボルトペンギンではなく、同じケープペンギン属で温帯の常温で飼育可能なマゼランペンギンなどを飼育しています。

 

ここまで

最後までお読みいただきありがとうございます。