登別マリンパークニクスのニクス城は登別ニクスのシンボルでもある巨大な建造物で、デンマークに実在する「イーエスコウ城」がモデルとなっています。
お城の中はオシャレな水族館となっており、登別ニクスのメインの展示エリアとなっています。
巨大な建造物であるニクス城は施設外からも良く目立ちます。
目次
登別マリンパークニクスのニクス城について
ニクス城は登別マリンパークニクスのシンボルでもある建造物で、城内には多くの水槽が設置されています。
1990年開館と北海道内では比較的新しい水族館で、作りも他の施設よりも新しさを感じるものとなっています。
北海道内のJAZA加入の施設の開館年
・小樽水族館:1959年開館
・千歳水族館:1994年開館(2015年リニューアル)
・サンピアザ水族館:1982年開館
展示されている種類は南から北まで幅広い種類の生物が展示されており、繁殖賞を受賞している生物も多くいます。(上の画像はその一部です。)
登別ニクスでしか見られないような種類はほとんどいませんが、展示種類数は多く、綺麗で観察しやすい水槽も多いです。
登別マリンパークニクス内の展示エリアについて
ニクス城内の展示エリアは順路順に以下のようになっています。
クリスタルタワー⇒タッチプールエリア⇒金魚万華鏡観⇒アクアギャラリー⇒不思議な生物コーナー⇒アクアトンネル⇒ショップ⇒クラゲ
が主要な展示エリアとなっています。
順序順に主要な展示エリアを紹介していきます。
・クリスタルタワー
ニクス城に入って目の前に現れるのがクリスタルタワーと呼ばれている大型の水槽です。
タワーという名称から分かるように縦長の円柱型の形状をした水槽で、水量は90tと大型の水槽です。
クリスタルタワー水槽は1階(入り口)とエスカレーターを上がった2階から見ることができ、1階から見える魚と2階から見える魚には少し違いがあります。
上の画像を見て分かるように大型魚はほとんど展示されておらず、メガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)が最も大型の種類で、他は中型の魚が泳いでいます。
・タッチプール
クリスタルタワーを見た後にエレベーターで2階へと上がりますが、2階の最初のエリアがタッチプールエリアです。
一番最初にあるのが星型のタッチプールで、多くの水族館で見られるようなヒトデなどを触る事ができます。
小さく安全な生物が入っているのでお子様でも安心です。
ヒトデ型のタッチプールを過ぎると、上のような画像の場所になっており、右側には球状の水槽で小型の生物を展示しています。
球状水槽は歪んで見えるので観察しにくいですが、面白い生物が多く展示されているオススメの展示エリアです。
テンジクザメとホシエイを展示しており、ホシエイは上のように多くの個体が泳いでいます。(テンジクザメは別の場所に隔離されていました。)
泳いでいるホシエイやテンジクザメの背中を触る事ができ、近くに手洗い場があるので触った後にすぐに手洗いすることができます。
登別マリンパークニクスではタッチプールにカブトガニがいました。
カブトガニがタッチプールに入っている水族館は初めて見たのでビックリでした。
・アクアギャラリー
タッチプールのエリアを抜けるとアクアギャラリーと呼ばれている多くの水槽が並ぶエリアに入ります。
上のように壁が凹んでいる場所に水槽が設置されており、エリアの最初の方は南国の魚を展示していますが、後半部は北国で見られるような魚が展示されています。
上のように綺麗な四角をしている水槽が多く、エリアの最初の方は上のように多く水族館で良く見られるような人気の高い魚が展示されています。
大きな水槽はありませんが、その分、1種類1種類を観察しやすい展示となっています。
多くの水族館を訪れている方にとっては珍しい魚は展示されていませんが、観察しやすい展示となっているため、良く見ている魚でも新しい発見があるかもしれません。
後半になると上のように北海道色が強い展示になり、後半部には関東などではあまり見られない種類も多く展示されています。
魚だけではなく、ヒトデやエビといった無脊椎動物も多く展示されており、ホッカイエビ、フサトゲニチリンヒトデなどは繁殖賞も受賞しています。
・アクアトンネル
登別マリンパークニクスにある最も水量の大きな水槽がトンネル水槽です。
トンネル水槽は2水槽あり、寒流と暖流に分かれています。
水量は寒流水槽:300t、暖流水槽:620tとなっています。
上の画像は寒流水槽で、かなり暗い展示となっています。(何故こんなにも暗いかは分かりません…)
水槽内が暗く観察しにくいですが、北海道周辺で見られるような魚が多く展示されており、立派な個体も多いので目が慣れるまでじっくり観察していただきたい水槽です。
寒流水槽ではダウリアチョウザメ、アブラボウズ、ホッケ、クロソイ、アイナメ、エゾメバル、マツカワ、ヨコスジカジカ、アブラツノザメなどが展示されています。
2つのトンネル水槽である暖流水槽は寒流水槽よりも大型の水槽で、照明も寒流水槽よりは明るいです。それでも暗めですが…
寒流水槽ほど多くの種類は展示されていませんが、シロワニ、レモンザメ、ホシエイといった大型の軟骨魚類とマアジやシマアジなどが群れを作って泳いでいます。
大型のサメ(シロワニ・レモンザメ)に目が行きますが、シマアジの群れも綺麗で是非観察していただきたいです!
暖流水槽ですが、実は1階から2階へと昇るエスカレーターの途中で暖流水槽を上から覗くことができます。(高所恐怖症の私は結構怖かったです…)
真ん中にある透明な筒状になっている所が人間が歩くエリアで、上から見ても大きな魚が展示されているのが分かります。
・クラゲLABO
ニクス城内の最後の生物展示エリアがクラゲLABOで、名前の通りクラゲなどの無脊椎動物を展示しています。
このエリアではミズクラゲ、キタミズクラゲ、サカサクラゲの3種類のクラゲが展示されており、 展示されているクラゲのほとんどが館内で繁殖したものです。
上のようにクラゲのポリプ⇒エフィラ⇒メテフィラ⇒稚クラゲというクラゲが変態していく過程を見ることができます。
北海道内最大級と謡われているクラゲ水槽が設置されており、北海道内ではクラゲLABOよりも大きなクラゲ水槽は見ていないので、謳い文句通り、北海道で最大のクラゲ水槽だと思われます。
奥側に4つの大きなクラゲ水槽があり、ベンチも設置されているため、時間によってライトアップの色が変化し、クラゲの色が変化していくのをゆっくり見ることができます。
手前側にはクラゲではなく、サンゴやイソギンチャクなどが展示されていました。(地味ですが、レイアウトも凝っており、)
登別マリンパークニクスではキタミズクラゲを展示しており、展示している施設が少ないクラゲです。
傘の縁が茶色になるので、ミズクラゲとは簡単に見分ける事ができます。
登別マリンパークニクスではミズクラゲとキタミズクラゲを飼育しているので、是非見比べてみてください。
登別マリンパークニクスのオススメ展示生物
最後にニクス城内に展示されている生物のうち、珍しい生物や登別マリンパークニクスに縁のある種類を紹介していきます。
・トクビレ
トクビレは登別マリンパークニクスが繁殖賞を受賞している10種のうち1種です。
トクビレは日本では北日本を中心に分布しており、オスの個体は上のように大きな尻鰭と第二背鰭を持っています。
登別マリンパークニクスでは多くの個体が展示されており、水槽内を活発に泳ぐ姿を見ることができます。(タイミングが良いと上のように鰭を開いている姿を見ることができます。)
トクビレは北海道や東北・北陸の施設を中心に展示されており、関東や以南の施設ではほとんど展示さていません。
非常に美味な魚としても知られており、塩焼きや刺身、干物などで食べられています。
・サケビクニン
先ほどのトクビレと同じく、サケビクニンも登別マリンパークニクスが繁殖賞を受賞している種類です。(1997年に世界初の水槽内でのはんしょくに成功し、2021年1月には人工授精による孵化にも成功しています。)
サケビクニンは独特な形状をした魚で、 日本海やオホーツク海の深海に生息しています。
コンニャクウオ科の魚で、サケビクニンも表面がゼラチン状の物質に覆われています。
登別マリンパークニクスでは青色のライトで照らされているため本来の色ではありませんが、本来はピンク色の体色をしています。
胸鰭の筋が味覚を感じる器官になっており、ヒゲを使って海底を探って獲物を捕らえます。
人工授精により当館で生まれて間もなく5か月になる #サケビクニン。
大きさ3㎝程になりました。胸びれの一部がヒゲのように伸びる特徴も出現。
ここには味蕾(みらい)と呼ばれる味を感じる器官があり、餌を探すのに役立てます。#登別マリンパークニクス#水族館#Snailfish pic.twitter.com/nfroXAOwQl— 登別マリンパークニクス【公式】 (@marinepark_nixe) May 20, 2021
・キチジ
キチジは北海道では「キンキ」と呼ばれている魚で、高級魚として扱われています。
上のようにユニークな見た目をしているキチジですが、登別マリンパークニクスでは多くの個体が展示されています。
北側の魚というイメージが強い魚ですが、北海道で飼育しているJAZA加入の施設は登別ニクスのみです。
胸鰭を立てている姿が可愛いのでオススメの魚です。
・ノコギリエイ
登別ニクスではノコギリエイ(学名:Pristis microdon)を1頭展示しており、ノコギリエイを展示している数少ない施設です。
展示されているノコギリエイはラージトゥースソーフィッシュと呼ばれている種類になります。(国内では登別ニクスの他に京急油壺マリンパークで展示)
上のように潜水艦の模型の中に水槽が組み込まれているユニークな展示方法でノコギリエイを展示しています。
登別ニクスのノコギリエイはあまり有名ではありませんが、ノコギリエイを観察することができる数少ない施設なので、訪れた際は是非ゆっくり観察してみてください。
・ダウリアチョウザメ
ニクス城にある2つのトンネル水槽のうち1つに巨大なダウリアチョウザメが展示されています。
登別ニクスのトンネル水槽は30年前に 作られているためか作りはやや古っぽく感じ、何故か水槽内はとても暗いです。
そんな少し観察しにくいトンネル水槽ですが、北海道らしい魚が多く展示されている水槽なので、是非観察してみてください。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。