スナメリは日本の沿岸でも見られる小型のクジラの仲間で、地域によって様々な呼ばれ方をしています。
日本では6施設で飼育されており、鳥羽水族館で最も多くの個体が飼育されています。
スナメリについて!
スナメリは体長1.5~2m程度に成長する鯨偶蹄目ネズミイルカ科スナメリ属の動物です。
スナメリは灰色の体色をしており、体重は50~60kg程度とクジラの中では最も小型の種類の1つです。
尾鰭は幅広くなっており、真ん中に切れ込みが入っています。
口角が上がっており、笑顔の浮かべているようにも見えます。
上のように口を器用に使うことができますが、口は大きくはありません。
スナメリという和名は砂の中に隠れている魚に向かって水を勢い良く吹き付けている姿が砂を舐めているように見えた事が由来となっています。
口吻はほとんど突出していないため、丸い顔部をしており、上の画像のように頭骨の可動域が広いです。
食性は肉食で魚類、甲殻類、頭足類など食べられるものは何でも捕食しています。
頭部には呼吸孔があり、水中では閉じられていますが、水面に上がるタイミングで開いて呼吸を行います。
呼吸は水面に1分程度留まって行い、4分以上潜水する事もあります。
和名 | スナメリ |
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学名 | Neophocaena phocaenoides |
英名 | Finless porpoise |
目 | 鯨偶蹄目(Cetartiodactyla) |
科 | ネズミイルカ科(Phocoenidae) |
属 | スナメリ属(Neophocaena) |
分布 | インド洋中部~太平洋西部 |
生息環境 | 沿岸部、淡水(長江) |
スナメリはアジアの沿岸部を中心に分布しており、西端はインドの西岸、北端は日本近海です。
日本国内では仙台湾、東京湾、伊勢湾、駿河湾など太平洋側、瀬戸内海、九州西部などで見られます。
妊娠期間は10~11ヵ月程度で、普通は1度に1頭を出産します。
海洋汚染や混獲などによって生息数は減少しています。
韓国では食用として利用されており、韓国内で混獲されているクジラの半分が本種です。(韓国はクジラの混獲数が多い事で知られており、年間2,000頭を超える年もあります。)
IUCNのレッドリストでは絶滅危惧II類に指定されています。
スナメリを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年3月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
スナメリを展示しているJAZA加入の施設は4ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
スナメリと鳥羽水族館
鳥羽水族館では伊勢志摩の海・日本の海エリアにてスナメリを展示しています。
鳥羽水族館では9頭のスナメリを展示しており、国内で最も多くのスナメリを飼育している施設です。
2019年の5月にも子供が誕生しており、何度もスナメリの繁殖に成功している施設です。(繁殖賞も受賞しています。)
人懐っこい性格をしているのかガラスの前で見ていると寄ってきてくれる事もあり、手を振ると反応してくれる個体もいました。
スナメリと海の中道マリンワールド
海の中道マリンワールドでは福岡の身近なイルカエリアにてスナメリを展示しています。
海の中道マリンワールドでは5頭のスナメリを展示しており、何度も繁殖に成功している施設です。
上のようなクリアな水槽でスナメリを展示しており、輪やボールなどで遊ぶ姿も良く見られます。(ガラス側に寄ってきて人に反応する事も良くあります。)
目の前に座れる場所もあり長時間観察しやすい展示となっています。
スナメリを展示している施設の一覧
スナメリを展示しているJAZA加入の施設は4ヵ所となっています。
南知多ビーチランド | 鳥羽水族館 | 宮島水族館 |
海の中道水族館 |
JAZA加入の施設ではありませんが、仙台うみの杜水族館、しものせき水族館海響館でも飼育されています。
ここまで
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